第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]

日付 2025年3月21日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(第一会議室)
講演番号 PL-14
発表題目 森林害虫のハバチ類はボルバキアに感染しているか?
Does Wolbachia infect among forest sawflies?
所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 東北支所
要旨本文 森林食葉性害虫であるハバチ類は度々大被害をもたらしてきた。ハバチにはオスを必要とせずメスだけで増えていくため増殖力が高い「産雌性単為生殖」を行う種が含まれており、これが一因と考えられている。様々な昆虫種において、産雌性単為生殖の原因として細胞内共生細菌ボルバキアの感染が示されており、さらに、この共生細菌は、雌雄間の受精時でも細胞質不和合という現象を引き起こすことが知られている。しかし、生殖に関わる細菌の関与はハバチでは不明である。細胞内共生細菌感染による繁殖への影響とその機序がハバチにおいて明らかになれば、除去処理によってその繁殖を撹乱し増殖を抑えることで、ハバチの新たな防除技術開発につながる可能性がある。そこで本研究では、その足がかりとして、ブナの害虫であるブナハバチ(採取場所:神奈川県)とトウヒ類の害虫であるオオアカズヒラタハバチ(青森県)とにおいて、ボルバキア感染の有無を調べた。その結果、青森県のオオアカズヒラタハバチ個体群のみ感染していた。本種は雌雄ともに存在していることから、感染による影響として細胞質不和合を引き起こしている可能性がある。
著者氏名 ○綾部慈子1 ・ 相川拓也2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域
キーワード ハバチ, ボルバキア感染, 森林害虫
Key word sawfly, Wolbachia infection, forest pest