第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]

日付 2025年3月22日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(第一会議室)
講演番号 PL-17
発表題目 カシノナガキクイムシが越冬可能な標高の調査-山梨県の事例-
Survey of the altitude at which the Platypus quercivorus can overwinter - A case study of Yamanashi-
所属 山梨県森林総合研究所
要旨本文 カシノナガキクイムシ(以下、カシナガ)は冬季に低温に晒されると越冬が困難になり、繁殖が抑制されるため、高標高域では成虫の発生が減少することが報告されている。既報によれば石川県で標高900mでは発生成虫が1.7頭/穿孔穴以下となった例(江崎, 2006)、富山県で標高500mを超えると発生成虫が5頭/穿孔穴以下となった例(西村ら, 2007)、新潟県で標高600mを超えると繁殖性成功度が低くなる(福沢ら, 2019)など報告されている。しかし、これらは日本海側の報告であり、太平洋側には適応できない可能性がある。山梨県では標高1,700m付近までナラ枯れ被害が発生しており、より高標高まで繁殖可能と考えられる。そこで山梨県におけるカシナガの越冬可能な標高について調査を行った。調査方法は標高900m~1,600mの区間を設定し、標高100mごとにカシナガ穿孔木(コナラ)を玉切りした丸太を3本設置し冬季環境を経験させた。5月に研究所に持ち帰りトラップ内にいれ、11月まで成虫の発生を観察した。結果は標高900m:77.1頭/穿孔穴、1000m:43.1頭/穿孔穴、1100m:2頭/穿孔穴、1200m:0.9頭/穿孔穴、1300m以降は0頭/穿孔穴と標高1100mで極端に低くなった。
著者氏名 ○長谷川喬平 ・ 大澤正嗣 ・ 望月邦良
著者所属 山梨県森林総合研究所
キーワード カシノナガキクイムシ, ナラ枯れ, 山梨県
Key word Platypus quercivorus, Japanese oak wilt, yamanashi prefecture