第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]
開始時刻 | ポスター発表 |
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講演番号 | PL-2 (学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | ヒノキのルートマットがA層の土壌動物群集に与える影響 Root mats of Chamaecyparis obtusa affect soil mesofaunal community in A horizon |
所属 | 名古屋大学 |
要旨本文 | あいち海上の森のヒノキ人工林は、極端に酸性な土壌(pH<4)である。高い土壌酸性度に応答したためか、一部地域でヒノキ細根が非常に多く、表層に厚いルートマットが発達している。我々はこれまでに、ヒノキのルートマットが厚いほど、そこに棲息する中型土壌動物(小型節足動物)の全個体数が多く、特に移動性の高い表層性トビムシや捕食性種を多く含むトゲダニ目でその傾向が顕著であることを明らかにしてきた。これは、ルートマットが厚いと、土壌小型節足動物の棲息空間が拡大されるためだと考えられる。しかし、ルートマットが厚い場所で、その直下に存在するA層でも土壌小型節足動物の個体数が多いのかは不明である。細根はデトリタスや滲出物として土壌に多くの炭素を供給する器官であり、土壌小型節足動物は土壌炭素含量が高いほど多いことも報告されている。そのため、ルートマットが厚いほどA層に土壌有機物が蓄積し、土壌小型節足動物は多いのではないかという仮説を導いた。本研究では、A層に注目して、そこに棲息する土壌小型節足動物群集にルートマットの発達程度が与える影響を明らかにすることを目的とした。本発表ではそれらの結果とともに考察する。 |
著者氏名 | ○林亮太1 ・ 藤井佐織2 ・ 吉田智弘3 ・ 平野恭弘4 ・ 杁山哲矢4 ・ 谷川東子1 |
著者所属 | 1名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林昆虫研究領域 ・ 3東京農工大学農学部FSセンター ・ 4名古屋大学大学院環境学研究科 |
キーワード | 中型土壌動物, 細根, 土壌有機物 |
Key word | soil mesofauna, fine root, soil organic matter |