第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(第一会議室) |
講演番号 | PL-25 |
発表題目 | クロマツ樹上におけるマツヘリカメムシ幼虫の共生細菌獲得 Acquisition of symbiotic bacteria by Leptoglossus occidentalis nymphs in black pine trees |
所属 | 九州大学 |
要旨本文 | マツヘリカメムシ(Leptoglossus occidentalis)は北米を原産とする外来昆虫であり、日本においては主にマツ類の樹上で生活している。本種に吸汁されたクロマツでは種子充填率の低下が報告されており、本種による食害は主に種子生産において甚大な被害をもたらすことが示唆されている。本種が中腸に保持するCaballeronia属の共生細菌はカメムシの成長と生存率に大きく寄与しており、当研究室の先行研究により母子伝達されず、土壌起源であることが示唆されている。本種の幼虫の生息場所は樹上に限定されると考えられるため、共生細菌の獲得を阻害することで本種の増殖を抑えられる可能性がある。そこで本研究では、共生細菌の樹上での獲得可能性の検証のため、森林総合研究所材木育種センター九州育種場内のクロマツにおいて、野外調査を実施した。粘着スプレーを用いたトラップによりクロマツの幹を封鎖し、幼虫の活動範囲を樹上に限定した。この条件下から採取した2~4齢の幼虫21個体に対してDNA抽出及び診断PCRを行った結果、ほぼ全ての個体から共生細菌のDNAが検出された。このことから、マツヘリカメムシが樹上で何らかの方法で共生細菌を獲得していることが示唆された。 |
著者氏名 | ○武原菜々花1 ・ 松永孝治2 ・ 細川貴弘3 ・ 渡辺敦史4 ・ 久米篤4 |
著者所属 | 1九州大学大学院生物資源環境科学府 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター九州育種場 ・ 3九州大学大学院理学研究院 ・ 4九州大学大学院農学研究院 |
キーワード | クロマツ, 共生細菌, PCR, 外来昆虫, 種子害虫 |
Key word | black pine, symbiotic bacteria, PCR, Invasive insects, seed pest |