第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(第一会議室) |
講演番号 | PL-27 |
発表題目 | 亜高山帯針葉樹林でのニホンジカの剥皮の進行 Bark stripping by sika deer intensifies in subalpine coniferous forests |
所属 | 山梨県森林総合研究所 |
要旨本文 | 高標高域に多く出没するようになったニホンジカは、亜高山帯針葉樹林において樹幹剥皮により森林植生へ影響を及ぼしている。山梨県の奥秩父山地と八ヶ岳においてもシラビソやオオシラビソの樹幹剥皮が生じており、特に奥秩父山地で剥皮率が高いことが2019年、2021年の調査で明らかになった。今回調査地に設置したカメラで1か月間タイムラプス撮影を行うことで、調査地に出没するニホンジカの局所的な個体密度を推定した。また、剥皮と生残について再調査をし、3~5年の間に剥皮がどれだけ増えたか明らかにした。その結果、10月から11月出没したニホンジカの個体密度は10.1~18.4頭/km2であると推定された。また、剥皮された樹木は数年間でも多くの調査地で増加しており、前回調査時の非剥皮木のうち2.4%が年平均で剥皮されていた。枯死木も多く発生しており、前回調査の生存木の2.8%が年平均で枯死していた。剥皮された個体は枯死しやすい傾向にあり、幹の周囲のうち剥皮された割合が高い個体ほど枯死する割合が高いことが明らかになった。 |
著者氏名 | ○林耕太 ・ 長池卓男 |
著者所属 | 山梨県森林総合研究所 |
キーワード | ニホンジカ, 樹幹剥皮, 亜高山帯針葉樹林 |
Key word | sika deer, bark stripping, subalpine coniferous forest |