第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]
開始時刻 | ポスター発表 |
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講演番号 | PL-3 (学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | エタノール注入スギ丸太による養菌性キクイムシの誘引:穿入孔の分布解析 Attraction of ambrosia beetles on ethanol-injected Japanese cedar logs: Distribution analysis of their entrance holes |
所属 | 名古屋大学 |
要旨本文 | 養菌性キクイムシの一部の種はエタノールの揮発成分に誘引される。この習性に基づき、外国では、エタノール注入木を用いた穿孔試験が行われている。その穿入孔数のデータは蓄積されているが、分布様式の知見は不足している。日本での研究例は無く、演者らが2023年に着手した。今回は2024年の結果を発表する。4・5・6月にスギの生立木を伐倒・玉切り後、丸太の樹幹にドリル穴を開けてエタノールを注入し、林内に設置した。対照区の丸太には蒸留水を注入した。各丸太を約4週間後に回収し、この時点でキクイムシの活動を止めるため冷凍保存した。解凍後に割材し、養菌性キクイムシの種同定と、穿入孔の数および部位の記録を行った。 ほぼ全ての穿孔がハンノキキクイムシとトドマツオオキクイムシによるものであった。丸太の幹表面を4分割して穿入孔数を対照区と比較すると、ハンノキキクイムシでは、4面ともエタノール注入で有意に増加した。同一丸太では、エタノール注入穴を含む面で有意に増加し、その分布の集中性はIδ指数によって、特に5月丸太で裏付けられた。木口でも、エタノール注入穴を含む面に多く穿孔すること、なども示された。 |
著者氏名 | ○中山直紀 ・ 梶村恒 |
著者所属 | 名古屋大学大学院生命農学研究科 |
キーワード | エタノール注入, 穿孔様式, ハンノキキクイムシ, トドマツオオキクイムシ, 心材 |
Key word | ethanol injection, boring patterns, Xylosandrus germanus, Euwallacea validus, heartwood |