第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]
開始時刻 | ポスター発表 |
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講演番号 | PL-32 |
発表題目 | カシノナガキクイムシの発生予測とルイスホソカタムシの天敵としての可能性 Outbreak prediction of the Platypus quercivorus and possibility as the natural enemy of Gempylodes omamentalis |
所属 | 千葉県農林総合研究センター森林研究所 |
要旨本文 | 関東地方におけるカシノナガキクイムシの発育零点や有効積算温度についての知見は、被害が生じてから日が浅いことから明らかにされていない。そこで、ナラ枯れ被害の生じた林分から採取した茨城県産コナラと千葉県産マテバシイを用いてカシノナガキクイムシの発生消長を調査した。試験はペットボトル製捕虫器を取り付けたコンテナボックスに玉切りした供試材を入れ、19、22、25及び28℃に温度制御した各恒温器内及び屋外のコナラ林内にも設置して比較した。その結果、コナラからはカシノナガキクイムシが温度階層順に発生し、発育零点9.0℃、有効積算温度471日℃となり、y=0.0022X-0.0198の回帰式が得られた。これを屋外の初発実測日と比較すると、初発予想日は4日早く算出された。また、この計算を誰もが活用できるよう、カシノナガキクイムシ発生予察システムを試作した。一方、マテバシイからはルイスホソカタムシが温度階層順に多数発生し、発育零点15℃、有効積算温度89日℃が得られたが、カシノナガキクイムシは1頭も発生しなかった。供試材を採取した千葉県南部ではマテバシイのナラ枯れ被害が収束傾向にあり、この天敵生物が影響を与えている可能性も考えられた。 |
著者氏名 | ○福原一成 |
著者所属 | 千葉県農林総合研究センター森林研究所 |
キーワード | カシノナガキクイムシ, ルイスホソカタムシ, 発生予測, 天敵生物, ナラ枯れ |
Key word | Platypus quercivorus, Gempylodes omamentalis, outbreak prediction, natural enemy, Japanese oak wilt |