第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]
日付 | 2025年3月21日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(第一会議室) |
講演番号 | PL-6 (学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | ニホンジカによる森林の環境改変が土壌動物群集に与える影響 Effects of forest environmental alteration by sika deer on soil animal communities |
所属 | 東京大学 |
要旨本文 | 土壌動物は森林の有機物分解や養分循環に主要な役割を果たし、環境変化に敏感に反応するため森林の環境改変が土壌動物群集に与える影響を明らかにすることは重要である。日本では高密度状態のニホンジカ(以下、シカ)が森林植生や土壌環境を改変しており、土壌動物群集にどのように波及するかは十分には解明されていない。そこで本研究では、シカの有無に伴う土壌動物群集の変化とその要因を明らかにすることを目的とした。奥秩父山地の亜高山帯林から冷温帯林に標高に沿って設置されたシカ排除区・対照区10地点において、表層土壌を採取しツルグレン装置を用いて土壌動物を抽出した。また、リターの厚さや土壌CN比、植生など環境条件も調査した。そして、シカ排除区と対照区の土壌動物群集を比較し、環境条件との関係を一般化線形モデルで解析した。シカ排除区では土壌動物の個体数、分類群数はともに減少し、特にリター食者で大きな影響がみられた。この変化は主にリターの厚さや周囲の広葉樹の割合から説明できることがわかった。これより、生息場所の質や餌資源となるリター量がシカによって低下し、土壌動物の個体数や多様性が減少することが示唆された。 |
著者氏名 | ○熊木順生1 ・ 梅木清2 ・ 平尾聡秀1 |
著者所属 | 1東京大学農学部 ・ 2千葉大学園芸学部 |
キーワード | シカ柵, 植生衰退, 冷温帯林, ツルグレン装置, 生物多様性 |
Key word | deer fence, vegetation decline, cool-temperate forest, Tullgren funnel, biodiversity |