第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]

日付 2025年3月21日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(第一会議室)
講演番号 PL-7 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 ニホンジカが樹木の実生に与える影響とその要因
Impact of Sika Deer on Tree Seedlings and Contributing Factors
所属 岐阜大学
要旨本文 ニホンジカ(以下シカ)が高密度に生息する複数の地域において、シカの採食による樹木の実生への影響が報告されている。一方、岐阜大学位山演習林のシカ生息密度は、約11頭/km2(2014~2019年)とそれほど高くなく、シカの採食による実生への影響はまだ報告されていない。本研究では、林床にクマイザサ(以下ササ)が優占する位山演習林において、2015年に4つの防鹿柵を設置し、柵内外の調査区で実生追跡調査およびササ稈密度調査を毎年行った。また2024年にササの刈り取りを行い、乾燥重量を測定した。10年間のデータをもとに、柵とササ稈密度が実生の出現密度、成長率および生存率に及ぼす影響、柵がササの稈密度および乾燥重量に及ぼす影響について、GLMMもしくは状態空間モデルを構築して解析した。解析の結果、柵は実生の出現密度および生存率には影響を与えず、成長率には正の効果を示した。ササ稈密度は実生の出現密度には影響を与えず、成長率および生存率には負の効果を示した。ササの稈密度および乾燥重量は柵内外で差がなかった。本調査地では、シカによる実生やササへの直接的な影響は大きくなく、柵の効果が不明瞭となったと考えられた。
著者氏名 ○田中隆史1 ・ 中森さつき2,3 ・ 安藤正規1
著者所属 1岐阜大学応用生物科学部 ・ 2岐阜県立森林文化アカデミー ・ 3岐阜大学大学院連合農学研究科
キーワード ニホンジカ, 実生, ササ, 防鹿柵, 森林
Key word deer, seedling, dwarf bamboo, deer fence, forest