第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
微生物部門[Forest Microbes]
日付 | 2025年3月22日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(第一会議室) |
講演番号 | PM-15 (学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 高山帯風衝地の植生遷移と地衣類を構成する菌類および藻類の群集構造の変化 Change of lichenized fungal and algal community structures along vegetation succession at an alpine wind-exposed area |
所属 | 東京農業大学 |
要旨本文 | 地衣類は菌類と藻類(または藍藻類)との共生体である。未発達土壌でも生育できる地衣類は、植生遷移の起点として重要である。一方で、地衣類は種ごとに特定の生息環境を好むため、植生遷移に伴う環境の変化は地衣類群集にも影響を与えると考えられる。そこで本研究では、遷移初期環境において地衣体を構成する共生ペアに着目した群集解析を行った。乗鞍岳稜線部の風衝地のハイマツ群落内および群落外の裸地に調査プロットを2つずつ設置し、各プロットの25地点から地衣類を採取した。地衣体からDNAを抽出し、MiSeqを用いて菌類、藻類、藍藻類のバーコーディング領域の塩基配列情報を取得し、いずれも97%の相同性に基づいてOTUを作成した。計286の地衣体から菌類131 OTUs、藻類171 OTUs、藍藻類71 OTUsが検出され、いずれの分類群に関しても、裸地とハイマツ群落内の間で有意なOTU組成の違いが認められた。ネットワーク解析の結果、出現頻度の高いOTUのうち、裸地とハイマツ群落内では異なる共生相手とペアを組むものが複数認められた。共生相手を入れ替える種が、植生遷移に応じて新たな共生相手の加入を手助けする、いわば「橋渡し」の役割を果たしている可能性が示唆された。 |
著者氏名 | ○山本暁1 ・ 田留健介2 |
著者所属 | 1東京農業大学生命科学部 ・ 2東京農業大学学術情報課程 |
キーワード | DNAメタバーコーディング, 高山生態系, 共生 |
Key word | DNA metabarcoding, alpine ecosystem, symbiosis |