第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PM-17 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 ヌメリイグチ属培養菌糸の伸長成長を促進する寒天及び添加物濃度の検討
Investigating agar and additive concentrations that promote growth by expansion of cultured mycelia of genus Suillus.
所属 東京農業大学
要旨本文  外生菌根菌は温帯や寒帯の森林生態系において重要な高木となる樹種と共生関係を持つことから、地域の物質循環への貢献や樹木の成長促進、きのこ類の生産への貢献が期待されている。しかしながら、菌株は一般的に培地上での生育が遅く、菌株を利用した実験を行う際には前培養に約2か月の期間を要するなど、十分な菌糸量が得られるまで時間がかかる。本研究では既存培地を改良し、培地上での外生菌根菌株の菌糸成長速度増大、同じ培養期間内でより多い菌糸長を得ることができる条件を検討することを目的とした。使用菌株は食用としても利用可能なヌメリイグチ属を中心に5種を用いた。培地は一般的に用いられるMMN培地を基本培地とし、これにビタミン、植物ホルモン、キレート剤、微量要素を添加したものに加えて、寒天濃度を調整した培地を作成した。添加物は濃度別に3つ設定し、繰り返しはそれぞれ5とした。7週間培養し、2週間ごとに菌糸の成長を記録した。その結果、各条件で有意に大きい菌糸長を得ることができたものはヌメリイグチではナフタレン酢酸と寒天濃度、ハナイグチでは鉄であった。アミタケでは有意な差は見られなかった。
著者氏名 ○高橋佳史 ・ 田中恵
著者所属 東京農業大学地域環境科学部
キーワード 外生菌根菌, MMN培地, Suillus属, 植物ホルモン, ビタミン
Key word ectomycorrhizal fungi, Modified Melin-Norkrans medium, Suillus, plant hormone, vitamin