第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PM-26
発表題目 多摩森林科学園におけるヒラタケ白こぶ病の発生消長
Seasonal changes in the occurrence of gill-knot disease of the oyster mushroom, Pleurotus ostreatus
所属 森林総合研究所
要旨本文 ヒラタケ白こぶ病(以下、白こぶ病)は、病原線虫のヒラタケヒダコブセンチュウ(Iotonchium ungulatum)がキノコバエ類によりヒラタケに媒介されて発生する。本病発生の実態をより明らかにするために、多摩森林科学園においてヒラタケと白こぶ病の発生を5年間調査した。なお、白こぶ病は、ウスヒラタケとトキイロヒラタケにも発生するため、両者の可能性のある子実体もヒラタケとして扱った。また、ヒラタケ属のタモギタケとヒラタケの一部については、ほだ木等の発生源を現地に設置して調査した。ヒラタケと白こぶ病は、5年間の調査期間を通じて毎年発生した。ヒラタケの発生時期は、7月下旬から4月上旬であった。一方、白こぶ病の発生時期は、10月下旬から12月下旬と3月下旬から4月上旬であった。タモギタケについては発生源を設置した年にだけ発生が見られ、発生時期は、7月上旬から11月中旬であった。タモギタケへの白こぶ病の発生は見られなかった。この結果は、概ね過去の調査結果と一致しており、野外でのヒラタケ属きのこ栽培における被害軽減に役立つ情報になると考えられる。今後は、白こぶ病だけでなく、媒介昆虫のキノコバエ類についても調査する予定である。
著者氏名 ○小坂肇1 ・ 長谷川絵里1 ・ 佐橋憲生2,1 ・ 末吉昌宏1 ・ 松倉君予2 ・ 太田祐子2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2日本大学生物資源科学部
キーワード ヒラタケ, 白こぶ病, 病原線虫, 媒介昆虫
Key word oyster mushroom, gill-knot disease, pathogenic nematode, vector insect