第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T1. 生物多様性保全と森林管理[Biodiversity conservation and forest management]

日付 2025年3月21日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PT1-5
発表題目 針葉樹人工林における間伐後の開空率と下層植生の経時変化
Changes in the crown openness rate and understory vegtation after thinning in coniferous plantations
所属 トヨタ自動車株式会社
要旨本文 2050年カーボンニュートラル(CN)達成に向けて脱炭素の取組が進められている。CNと生物多様性は相互に影響しており、生物多様性を高める事でCO2の自然吸収量を向上させる事が望ましい。針葉樹人工林では、間伐を行う事で主林木の健全な成長を促進させるが、林内の光環境も改善する為、階層構造が創出され、植物の多様性も高まる。しかし間伐が、間伐後の樹冠や階層構造に与える影響は十分に明らかにされたとは言えない。本研究では、針葉樹人工林間伐前後の樹冠開空率と下層植生(低木層、草本層)植被率及び種組成の経時変化の傾向を明らかにする事を目的とした。樹冠開空率は、間伐5~10年後にはほぼ間伐前の値まで指数関数的に減少した。一方、下層植生(草本層+低木層)の植被率は、間伐10年後にも間伐前より約40%高い値が維持された。間伐前後の下層植生植被率経時変化の傾向は4つのタイプに分類できた。低木層植被率が高く(約50%以上)、草本層植被率が少ない(約50%未満)タイプはヒノキ林で、低木層と草本層の植被率が共に高いタイプはスギ林であった。ヒノキ林とスギ林では下層植生構造の発達経過が異なる可能性が示唆された。
著者氏名 ○髙橋理1 ・ 伴邦教2 ・ 西田晃史3 ・ 洲崎燈子4
著者所属 1トヨタ自動車株式会社CNエネルギー開発部 ・ 2トヨタ自動車株式会社プラント・環境技術部 ・ 3トヨタ自動車株式会社先進技術統括部 ・ 4豊田市矢作川研究所
キーワード 間伐, 開空率, 下層植生
Key word thinning, the crown openness rate, understory vegtation