第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T4. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]
日付 | 2025年3月21日 |
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開始時刻 | ポスター発表 |
会場名 | 学術交流会館(ロビー) |
講演番号 | PT4-5 (学生ポスター賞審査対象) |
発表題目 | 中央アルプス亜高山帯常緑針葉樹林における標高勾配に沿った細根動態 Fine root dynamics along an elevation gradient in a subalpine evergreen coniferous forest in the Central Alps |
所属 | 信州大学 |
要旨本文 | 細根の生産量は森林生態系の純一次生産量の約半分を占める。しかしながら、細根の機能と動態を同時に測定した研究は少なく、森林の炭素循環における細根の役割についての理解は不十分である。本研究は、亜高山帯常緑針葉樹林における標高勾配に沿った3つの固定試験地(2000区、2200区、2400区)において根呼吸と細根動態を同時に測定し、その関係性を検討することを目的としている。今回は細根動態について報告する。各試験地にアクリルボックスを埋設し、デジタルカメラで土壌断面を継続的に撮影することで細根の成長と枯死を測定した。また、採土円筒を用いて各試験地の細根バイオマスを測定した。細根バイオマスは2200区が272gm-2で最も少なく、2000区が384gm-2、2400区が363gm-2であった。一方、細根面積は2000区が他の区の約3倍の値を示した。枯死面積は標高が高いほど小さい傾向を示した。細根の成長回転速度と枯死回転速度の差から算出した回転速度は0.94~1.89の範囲にあり、2200区と2400区が2000区の約2倍の値を示した。回転速度が高い2400区では、今後新たな細根が蓄積することで細根面積が増加し、細根バイオマスと同様に、いずれ2000区の値に近づくと予想される。 |
著者氏名 | ○坂本小雪1 ・ 小林元2 ・ 安江恒3 |
著者所属 | 1信州大学大学院総合理工学研究科 ・ 2信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター ・ 3信州大学山岳科学研究所 |
キーワード | 地温, 細根バイオマス, ルートスキャン, ターンオーバー, 季節変化 |
Key word | soil temperature, fine root biomass, root scanning, turn over, seasonal variation |