第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T4. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]

日付 2025年3月21日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PT4-6
発表題目 ササ除去から年数が経過した森林土壌におけるササ及び樹木の細根バイオマス
Fine root biomass of Sasa and trees in forest soil several years following the Sasa removal
所属 北海道大学
要旨本文 ササ類の消失が細根動態に及ぼす中長期的な影響を解明するため、ササ地上部除去開始から時間が経過した森林において、ササと樹木の細根バイオマスを定量した。北海道北部の中川・天塩と東部の標茶・足寄にて、ミズナラ対象木の周囲にササ除去区と非除去区(対照区)を設定した。林床植生として、中川ではクマイザサ、天塩ではチシマザサ、標茶と足寄ではミヤコザサがそれぞれ密生していた。天塩では皆伐跡地のクマイザサ群落にも調査地を設定した。ササ刈り取り処理開始からの経過年数は5年から24年であった。表層10㎝におけるササ細根バイオマスの処理区間での変化はサイトにより異なり、天塩と標茶ではササ除去区で激減したのに対し、中川と足寄では処理区間で同程度であった。中川では処理区によらず、ササ細根バイオマスが小さかった。一方、樹木細根バイオマスの処理区間での変化は小さかった。全体の細根バイオマスはササ細根バイオマスの変化と似た変化を示し、ササ細根の減少に伴い減少した。以上から、ササが減少し、ササ細根バイオマスが減少すれば、森林全体の細根バイオマスも減少することが示唆された。
著者氏名 ○福澤加里部1 ・ 智和正明2 ・ 舘野隆之輔3 ・ 松山周平4 ・ 菱拓雄2 ・ 榎木勉2 ・ 杉山賢子3 ・ 谷口武士5 ・ 野村睦1
著者所属 1北海道大学北方生物圏フィールド科学センター ・ 2九州大学農学部附属演習林 ・ 3京都大学フィールド科学教育研究センター ・ 4酪農学園大学農食環境学群 ・ 5鳥取大学乾燥地研究センター
キーワード クマイザサ, ミヤコザサ, ミズナラ, 細根バイオマス, ササ刈り取り
Key word Sasa senanensis, Sasa nipponica, Quercus crispula, Fine root biomass, Sasa cutting