第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
S9. 竹林の機能評価と新しい価値の創出[Evaluating Bamboo Forest Functions and Innovating New Values]
日付 | 2025年3月21日 |
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開始時刻 | 9:00 |
会場名 | S12 |
講演番号 | S9-1 |
発表題目 | 日本のタケ類とその生態的特性 Ρhyllostachys bamboos in Japan and their ecological characteristics |
所属 | 森林総合研究所 |
要旨本文 | 日本のタケ類(イネ科タケ亜科)は、主にマダケ属のモウソウチク、マダケ、ハチク、ホテイチクの4種で構成され、有用植物として九州から北海道南部にかけて広く植栽・栽培されてきた。現在の竹林分布は過去の植栽履歴に強く依存しており、管理放棄後に野生化して分布を拡大する竹林も多く見られる。 タケ類の顕著な特徴は、一世紀にもわたるクローナル成長にあり、この間、有性繁殖への資源投資は行われない。地下を横走する地下茎の芽子を成長の起点とし、春から夏にかけて地上部の茎(稈)を生産し、夏から秋に地下部の茎(地下茎)を生成する。地下茎と稈はそれぞれ約10年、約5~20年の寿命で入れ替わりながら、森林に匹敵する高さの竹林を維持・拡大している。安定した竹林では、稈の発生数や葉リターフォール量に隔年周期が認められる。 有性繁殖は稀であり、モウソウチクを除く種では概ね1世紀に一度の周期で竹林全体が開花し、枯死に至ることが知られる。しかし、実際に観察される現象は一様ではない。開花後の実生更新はこれまで報告されておらず、生き残った地下茎、あるいは非開花稈を基に、5年から数十年をかけて開花前の規模の竹林に回復することがある。 |
著者氏名 | ○小林慧人 |
著者所属 | 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 |
キーワード | 竹, クローナル植物, 栄養成長, 開花特性 |
Key word | Bamboo, Clonal plants, vegetative growth, Flowering characteristics |