第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S9. 竹林の機能評価と新しい価値の創出[Evaluating Bamboo Forest Functions and Innovating New Values]

日付 2025年3月21日
開始時刻 9:00
会場名 S12
講演番号 S9-2
発表題目 竹林の揮発性有機化合物放出—竹林管理と気候変動における大気質への影響
Volatile Organic Compound Emissions from Bamboos: Implication for Bamboo Management on Air Quality under Climate Change
所属 国立台湾大学
要旨本文 台湾は熱帯と亜熱帯の境界に位置し、温帯性竹類 (Arundinarieae) と熱帯性竹類 (Bambuseae) の両方が広く分布している。台湾における竹林面積は約183,000haに達し、全林地の約8.7%を占めている。過去のデータと比較すると、竹林面積および全林地に占める割合が増加し続けていることが示されている。さらに、多くの竹類は、非常に高い葉面積当たりのVOC放出速度を示すことが報告されている。VOCは大気中の酸化還元特性に影響を与え、オゾンや粒子状物質などの大気汚染物質の生成を促進する可能性があるため、竹林の拡張は大気汚染の悪化に寄与する懸念がある。しかし、これまでのVOCに関する研究は主に樹木を対象としており、竹を含む単子葉植物の放出特性についての解明は十分ではなかった。竹林におけるVOC放出特性を包括的に評価するためには、気象因子に対する応答や、環境ストレスによる長期的な影響、生態学的な観点からの影響(植物群落間のシグナリングや害虫発生など)について、さらなる研究が必要である。また、竹林におけるVOC放出評価の即時性と普遍性を実現するため、より迅速で低コストかつ広範囲を対象とした評価手法の開発も求められる。
著者氏名 ○張庭維
著者所属 国立台灣大學
キーワード モウソウチク, 生物起源揮発性有機化合物, 大気汚染, イソプレン, 台湾
Key word Phyllostachys pubescens, Biogenic volatile organic compounds, Air pollution, Isoprene, Taiwan