第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S9. 竹林の機能評価と新しい価値の創出[Evaluating Bamboo Forest Functions and Innovating New Values]

日付 2025年3月21日
開始時刻 9:00
会場名 S12
講演番号 S9-3
発表題目 竹林の発揮してきた文化機能
Cultural Functions of Bamboo Groves
所属 北九州市立大学
要旨本文  森林の機能において文化機能は、物質生産機能、快適環境形成機能、保健・レクリエーション機能などと併記されている。ただ、こうした機能が相互に関係する部分にも文化機能があり、それらの数多くのつながり方をとらえることが広義の文化機能の解明には重要である。本発表の竹林の文化機能についても、人や社会が竹林と関わる文化現象を広義に把握した上で、歴史的に発揮されてきた竹林の文化機能を検討する。生育する竹林は空間や景観を、切られた竹は物資を提供してきた。竹は利用価値が高く、道具から芸術まで、とくに籠は手仕事を発達させ、農耕や漁労ほか生業や産業の発達に寄与した。和楽器や茶の湯など、素材が竹でなくては成立しないものもあり、日本らしさの醸成や他の文化に竹が与えた影響は大きい。竹林や竹の持つ文化機能の価値は、時代の要請の変化や、竹でなくてもよい時には別の素材に代替され、その重みを変えてきた。現代になり、森林保全の観点から「竹は木にかわる資源」という価値意識が国際的にみられるが、日本の場合は、独自の森林や木の文化の歴史が変遷してきたなかで、それらと調和しながら竹林や竹の文化機能が発揮されてきたことも指摘したい。
著者氏名 ○岩松文代
著者所属 北九州市立大学文学部
キーワード 竹林, 文化機能, 歴史, 利用, 価値
Key word Bamboo Grove, Cultural Function, History, Use, Value