第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S9. 竹林の機能評価と新しい価値の創出[Evaluating Bamboo Forest Functions and Innovating New Values]

日付 2025年3月21日
開始時刻 9:00
会場名 S12
講演番号 S9-4
発表題目 ライフサイクルアセスメントから見える竹材利用の温室効果ガス削減の可能性
Greenhouse gas reduction potential of bamboo use as seen from life cycle assessment.
所属 東京農工大学大学院
要旨本文 地球温暖化の進行は著しく,その原因である温室効果ガス(GHG)の排出削減が求められている.そのための選択肢の一つとして,化石資源由来の製品やエネルギーを再生可能で低炭素な材料で代替することが挙げられる.竹は一定の強度を持ちながらも早い成長速度と高い炭素固定能力を有し,代替材として利用することでGHGの削減が期待できる.製品のライフサイクル全体での環境負荷を評価する手法として,ライフサイクルアセスメント(LCA)がある.竹製品のGHG削減効果をLCAによって評価した研究では,多くの竹製品でGHGを削減する結果が得られている.本シンポジウムでは,竹製品のLCA研究の一事例として「竹で作る農業用ハウス」を対象とした研究を紹介する.調査の結果,竹製ハウスの更新頻度を下げる(例:設計の最適化など),あるいは更新時に交換する部材を減らすなどの条件を実現することで,鋼製ハウスと比べてGHG削減効果が得られることが明らかになった.また,更新時に生じる廃棄木竹材を熱利用することで,追加的なGHG削減が可能となる.この結果は竹の特性によるもので,竹製の家具や建材など,他の竹製品にも同様に当てはまると考えられる.
著者氏名 ○井上岳
著者所属 東京農工大学大学院農学府
キーワード 竹材利用, ライフサイクルアセスメント, 温室効果ガス
Key word Bamboo Use, Life Cycle Assessment, Greenhouse Gas