第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T1. 生物多様性保全と森林管理[Biodiversity conservation and forest management]

日付 2025年3月21日
開始時刻 11:15
会場名 N11
講演番号 T1-9
発表題目 森林整備活動が水源涵養機能に与える影響の簡易評価の試み
An attempt of a simple assessment of the impact of forest management on water securing function
所属 八千代エンジニヤリング株式会社
要旨本文  近年、ESG投資の拡大に伴い、多くの企業が生物多様性保全の取り組みに積極的な姿勢を見せ始めている。特に水を多く使用する企業は、淡水生態系を保全するために森林の水源涵養機能を向上させて自社の水使用分を流域に還元する取り組みに注目しており、間伐や再造林を中心とした森林整備活動を計画・実施する企業が増加している。間伐や再造林に伴う水源涵養量の変化を評価した事例は、森林試験地での観測結果を基にした事例があるものの、観測データの無い森林で水源涵養量の変化を評価した事例は少ない。また、多くの企業は自社で水使用分を流域に還元するために必要な森林整備活動を検討することが困難であるため、森林整備活動に伴う水源涵養効果を簡易的に評価することが求められる。 そこで、森林情報のオープンデータが整備されている高知県と栃木県を対象に、20mメッシュ単位で間伐や再造林に伴う水源涵養量の変化の簡易評価を行った。当該評価では、森林域で水収支解析を実施し、降水量から蒸発散量と直接流出量を差し引くことで水源涵養量を算定した。この際、森林整備活動を反映できる蒸発散量モデルを用いることで、整備活動前後の水源涵養量の変化を評価した。
著者氏名 ○霜山竣1 ・ 中西美夕1 ・ 吉田広人1 ・ 佐藤怜1 ・ 緒方陸1 ・ 冨樫聡2
著者所属 1八千代エンジニアリング株式会社 ・ 2産業技術総合研究所
キーワード 水源涵養機能, ウォーターポジティブ, 簡易評価手法
Key word water securing function, water positive, simple assessment method