第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T4. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]
日付 | 2025年3月21日 |
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開始時刻 | 9:00 |
会場名 | N31 |
講演番号 | T4-1 |
発表題目 | 解剖構造に着目した細根寿命の探求:針葉樹種における原生木部数の季節変化 Exploring fine root lifespan from anatomical structure: seasonal variation of protoxylem groups in coniferous species |
所属 | 信州大学大学院 |
要旨本文 | 本研究は,根の解剖構造から成長様式および寿命を解明するため,細根系における原生木部数の割合と形質,成長量を一年間調査した.根系の採取は,長野県にある信州大学手良沢山演習林のヒノキとスギ林にて,2023年7月からの一年間に7回実施された.根系の末端部を1次根とする次数分類法に従って1-4次根の横断切片を作成し,細根寿命の指標である原生木部数を観察した.また同時に無傷な根系内の1-4次根の根数と根長を計測した.また連続コアサンプリング法を用いて,細根成長量を算出した.結果,ヒノキの1-4次根は,主に2,3原型で構成され,全次数で2原型の割合が秋に高く冬に低く,明確な季節変化があった.スギの1-4次根は主に3原型で構成され,季節変化は小さい傾向であった.細根系内の 両樹種における1,2次根の根数と根長は,秋に減少し冬に増加したが,ヒノキに比べスギの季節変化は大きかった.このことから,ヒノキは冬に長寿命で資源獲得能の高い4次根系を配置する一方で,スギは寿命の変化が小さく冬に資源獲得能を高めることが示唆された.本発表ではスギとヒノキの解剖・形態・成長量の結果から2樹種の根系の成長様式と寿命について考察する. |
著者氏名 | ○細井彩1 ・ 増本泰河2 ・ 諏訪竜之介1 ・ 金澤姫3 ・ 柳遼斗3 ・ 米田和博3 ・ 牧田直樹3 |
著者所属 | 1信州大学大学院総合理工学研究科 ・ 2信州大学大学院総合医理工学研究科 ・ 3信州大学理学部 |
キーワード | ヒノキ科, 次数根, 細根バイオマス, 皮層, 中心柱 |
Key word | Cupressaceae, root branching order, fine root biomass, cortex, stele |