第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T4. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]

日付 2025年3月21日
開始時刻 11:00
会場名 N31
講演番号 T4-7
発表題目 ヒノキ人工林内に生育するヤブムラサキの水平根引き抜き試験
A Root Pull-out Test for Callicarpa mollis in a Japanese Cypress Plantation.
所属 東京農業大学
要旨本文  樹木根系が発揮する土壌緊縛効果については,これまで様々な樹種で研究が進められている。しかし,その多くは高木類が中心で,下層植生として構成されるような低木類についての情報は乏しい。 そこで,シソ科のヤブムラサキについて,水平根の引き抜き試験を行った。調査は静岡県裾野市の不二聖心女子学院の敷地内に広がる,林齢およそ60年生のヒノキ人工林内にて行った。林内の10°前後の緩傾斜に成立しているヤブムラサキ2個体を対象木とした。対象木の胸高直径はそれぞれ2.2cm,2.6cm,樹高はそれぞれ6.3m,3.9mだった。 対象木の根元から等間隔に8本の放射状の線を描き,水平距離で50cmの点同士を結んで八角形を作成した。その内側の土を深さ30cmまで掘り取り根系を露わにした。その上で土壌断面にて水平根の直径と出現位置を測定した。出現した水平根のうち根の直径が1.0mm以上の根を対象とした。最大直径はそれぞれ9.7mm,6.0mmで,測定した水平根はいずれも35本だった。 その結果,水平根の直径と最大引き抜き抵抗力との関係は,ミツマタ(山瀬ら,2015)やオオバアサガラ(佐久間ら,2024)と同程度であることがわかった。
著者氏名 ○橘隆一 ・ 松田広大 ・ 佐藤貴紀
著者所属 東京農業大学地域環境科学部
キーワード 根系引き抜き試験, ヤブムラサキ, 水平根
Key word Root Pull-out Test, Callicarpa mollis, lateral root