第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T4. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]

日付 2025年3月21日
開始時刻 11:30
会場名 N31
講演番号 T4-9
発表題目 コナラ萌芽再生個体の土壌補強強度は、伐採後何年まで減少するのか?
How long does the soil reinforcement by roots of sprouting Quercus serrata decrease after cutting?
所属 兵庫県立農林水産技術総合センター森林林業技術センター
要旨本文 兵庫県では、人家の裏山において、倒木被害の恐れのある危険な大径木の広葉樹を伐採する森林整備を実施している。危険木の伐採は倒木災害を減らすが、萌芽再生したとしても、伐採による樹木根系の土壌補強強度の低下は避けられない。コナラの根による土壌補強強度は伐採後3年で6割ほど低下するが、長期にわたる追跡研究は存在しない。本研究は、皆伐後8年経過したコナラ萌芽再生個体の根による土壌補強強度の推移を明らかにすることを目的とした。伐採後0-3、5、8年経過したコナラ萌芽再生個体の萌芽枝サイズと、個体を中心に地際から0.5mの距離に作成した深さ1mの土壌断面に出現した直径1 mm以上の根について、直径、位置、枯損状況、引き抜き抵抗力を測定した。土壌補強強度は変位を考慮したRBMw法にて算出した。伐採後の経過年数とともに萌芽枝は成長したが、個体の単位面積当たりの土壌補強強度は、伐採後5年まで低下し、8年でほぼ横ばいの数値になった。根の引き抜き抵抗力は伐採後5年で最低となり、生存根が増える8年で回復する傾向がみられた。本結果より、萌芽再生したコナラの土壌補強強度は5-8年まで低下し続け、萌芽枝の成長とともに回復することが示唆された。
著者氏名 ○藤堂千景1 ・ 山瀬敬太郎1 ・ 谷川東子2 ・ 池野英利3 ・ 大橋瑞江4 ・ 檀浦正子5 ・ 平野恭弘6
著者所属 1兵庫県立農林水産技術総合センター ・ 2名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 3福知山公立大学情報学部 ・ 4兵庫県立大学環境人間学部 ・ 5京都大学大学院農学研究科 ・ 6名古屋大学大学院環境学研究科
キーワード 里山, 萌芽枝, 崩壊, 皆伐, 根系
Key word coppice, budding, landslides, clear cutting, root system