第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T5. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forests]
日付 | 2025年3月21日 |
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開始時刻 | 14:15 |
会場名 | N21 |
講演番号 | T5-1 |
発表題目 | 森林源流域からの溶存態Cs-137流出と斜面地下水の影響 Dissolved Cs-137 discharge and the effect of hillslope groundwater in the headwater forest watershed |
所属 | 筑波大学 |
要旨本文 | 福島第一原子力発電所事故により放出された137Csの多くは森林に沈着し、現在も森林内で循環している。溶存態137Csは懸濁態に比べて量は少ないものの、農作物や生態系に取り込まれやすいため、その供給源や流出経路の解明が重要である。本研究では福島県浪江町の森林源頭部流域を対象に、浅層地下水と深層地下水が表流水中の溶存態137Cs濃度に与える影響を調査した。湧水点周辺で地下水流動や水質を観測し、出水時の表流水を採取して137Cs濃度を測定した。調査の結果、浅層地下水は表流水より高い溶存態137Cs濃度を示し、DOC濃度と強い相関が認められた。表流水及び深度が異なる土壌浸透水や地下水では溶存態137Cs、DOC、K+の濃度が異なり、出水時には表流水中の溶存態137Cs、DOC、K+濃度が上昇し、ヒステリシス型の変化を確認した。このことから、流量ピーク前後で浅層地下水と深層地下水が表流水に影響を及ぼしている可能性があり、溶存態137Cs濃度を用いることで表流水への地下水流出の影響を定量的に評価できる可能性が示唆された。 |
著者氏名 | ○加藤弘亮 ・ 中田遥稀 ・ 庭野佑真 ・ 高橋純子 ・ 恩田裕一 |
著者所属 | 筑波大学放射線・アイソトープ地球システム研究センター |
キーワード | 森林流域, 溶存態セシウム137, 斜面地下水 |
Key word | Forest watershed, Dissolved Cs-137, Hillslope groundwater |