第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T5. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forests]

日付 2025年3月21日
開始時刻 17:00
会場名 N21
講演番号 T5-10
発表題目 野生山菜の利用による内部および外部被ばく線量の推定
Estimation of internal and external exposure doses received from the use of edible wild plants
所属 国立環境研究所
要旨本文 野生山菜の利用は、食料や生活の足しにするだけでなく、季節を感じ、住民の交流を繋ぐ重要な食文化である。しかし、放射性セシウム濃度が100 Bq/kgを超える山菜は、出荷やお裾分けができず、自家消費も自粛要請されている。一方で、山の恵みを取り戻すという観点からは、基準の妥当性を検証することも求められている。本研究では、地元住民の生活に根ざしたリスク情報を提供することを目的に、野生山菜の利用で受ける追加被ばく線量を推定した。2024年7月、福島県飯舘村S地区の住民26名を対象に、コシアブラ、タラノメ、ワラビ、コゴミ、フキノトウ、タケノコの利用に関する聞き取り調査を行なった。山菜6種の年間摂取量を推定し、これに2021年の飯舘村で採取された山菜の放射性セシウム濃度と、調理による低減効果を考慮して内部被ばく線量を求めた。また、山菜採りにかける時間に、現地踏査で得た山林での空間線量率の増加分を乗じて、外部被ばく線量を求めた。その結果、地元住民が山菜をよく食べていた頃の摂取量や採取時間を使っても、追加で受ける内部+外部被ばく線量は年間 2〜51 µSvと推定され、追加被ばく線量の目標値である年間1 mSvに対し0.2〜5%であった。
著者氏名 ○渡邊未来 ・ 高木麻衣 ・ 高橋晃子 ・ 辻岳史 ・ 大和田興 ・ 越川昌美 ・ 境優 ・ 玉置雅紀 ・ 林誠二
著者所属 国立環境研究所
キーワード 放射性セシウム, 山菜, 摂取量
Key word radiocesium, Sansai, Intake