Journal of Forest Research, Vol.25, No.5(2020年10月)
種類: 原著論文/Socioecnomics, Planning, and Management
Title: An explorative analysis of landscape value perceptions of naturally dead and cut wood: a case study of visitors to Kaisho Forest, Aichi, Japan
巻頁: J For Res 25 (5): 291-298
題名: 自然の枯死木と伐採木の比較による景観価値の認識の実証分析:愛知県海上の森の訪問者の受容を対象として
著者: Barbara Kovács,内山愉太,三宅良尚,Marianne Penker,香坂玲
所属: Center for Interdisciplinary Studies on Environment and Development, National Polytechnic Institute, Mexico City, Mexico
抄録: 現代の森林管理において、生態系サービスのうちで生産や防災の供給・調整サービスに加え、文化的サービスや多様化する価値の分析の重要性が増している。一般の訪問者が、どのように森林を受容しているのか理解することは、管理の基礎となる。既に森林の訪問者の視点からの既存研究は多く存在するが、森林の多様な要素と、その価値の関係性について論じている研究は限定的である。そこで本研究では、愛知県海上の森の訪問者を対象とし、自然の枯死木(萌芽更新)の人工的な伐採木(株・薪)に対する景観と価値認識について調査分析を行った。特に、枯死木と伐採木についてはKohsaka and Handoh (2006)、Kohsaka and Flitner(2004)によって提示された仮説に対し、価値付けとの関連を加えて再検証した。仮説は、自然枯死木と伐採された木に対する認識の区分が、ドイツ人集団として日本人集団は比較的弱いというものである。そこで本研究では、愛知県の海上の森を対象とし、現地での訪問者に対して海上の森で撮影された写真を提示して調査を行なった。分析においては、カイ二乗分析とクラスター分析を実施した。各写真に示された景観に対する価値付けを基に写真についてクラスター分析を行った結果、自然枯死木と伐採された木を含む景観の写真はそれぞれ異なるクラスターに分類された。各クラスター内の写真の景観について人工的介入の度合いに着目して分析した結果、比較介入の度合いの小さい景観として、自然枯死木と植生の繁茂がみられる伐採された木の切り株については、自然的、精神的、審美的価値との関連性が把握された。他方で、薪を含む景観の写真については、それらの景観の写真とは別のクラスターに分類され、教育的、生産的価値と関連して認識されていることが特定された。また、カイ二乗分析を行った結果、女性は男性に比べて、森林や上記のような植生が繁茂した切り株の景観に対して、癒しに関する価値(therapeutic value)をより見出す傾向が把握された。
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13416979.2020.1773619
種類: 原著論文/Socioecnomics, Planning, and Management
Title: Private forest landowners’ awareness of forest boundaries: case study in Japan
巻頁: J For Res 25 (5): 299-307
題名: 森林所有者の属性と森林境界の認知の関係性に関する研究:石川県小松市において実施された森林所有者の全数調査データを活用して
著者: 梶間周一郎,内山愉太,香坂玲
所属: 東北大大学院環境科学研究科
抄録: 森林の所有権の境界が不明であることは、現代の日本社会が直面する緊急の課題である。国土管理では行政コストが高くなる要因となり、現場の森林経営では林業事業者のアクセスが阻害され、施業や計画の実施を難しくしている。森林経営管理制度や森林環境譲与税等が導入されるなか、「新たな森林管理システム」において森林の境界明確化は鍵となる。そこで、本研究では森林所有者の属性と、森林の境界、面積、位置の認知の関係性を分析した。分析データとして、石川県小松市で実施された、同市に森林を所有する全ての所有者を対象とした調査の結果(N=1,909)を活用した。分析の結果、女性、60代以下、森林組合未加入、不在村などの属性を有する森林所有者が、森林の境界等を認知してない傾向があることが明らかとなった。相続などで森林を所有することになった所有者などで、以前は森林との関わりの少なかった所有者に対して、森林情報の整備について働きかけをすることが、森林境界の明確化に向けたプロセスにおいて重要となることが示唆された。
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13416979.2020.1777627
種類: 原著論文/Socioecnomics, Planning, and Management
Title: A social assessment of forest resource based on stakeholders’ perception: an application in three Balkans rural areas
巻頁: J For Res 25 (5): 308-314
題名: 利害関係者の認識に基づく森林資源の社会的評価:バルカン半島の3つの農村地域への適用
著者: Crivellaro Marta,Camin Maurizio,Colle Giacomo,Bezzi Marco,Paletto Alessandro
所属: EFFETRESEIZERO S.r.l, Spin-off Supported by Consiglio per La Ricerca in Agricoltura E L’analisi Dell’economia Agraria (CREA), Italy
抄録: An inclusive and transparent participatory process in the Balkan region can facilitate information’s exchange between decision-makers and local community, and increase social acceptance of forest management outcomes. The study – developed in the “FOR Balkans” project – has two main objectives: stakeholders’ engagement in forest management scenarios’ development and implementation of a Spatial Decision Support System to enhance sustainable and multifunctional forest management. To achieve them, a face-to-face questionnaire survey was conducted in three study areas in the Balkans: Shkrel district (Albania), Rugova valley (Kosovo), Knjaževac municipality (Serbia). The questionnaire – provided as a digital application – was administered to a sample of stakeholders in each study area. Stakeholders’ opinions towards ecosystem services and forest management practices were investigated. Results show that in Rugova provisioning services are the most important ecosystem services, that can be enhanced through a greater use of wood residues for energy purposes. In Shkrel, stakeholders consider supporting services as the most important category of ecosystem services that they can be maintained and improved through the implementation of sanitary fellings. In Knjaževac, stakeholders emphasize cultural services’ importance, which can be enhanced by promoting mixed forests and improving recreational facilities.
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13416979.2020.1782554
種類: 原著論文/Silviculture and Plant Sciences
Title: Effects of different pollinators and herbivores on the fruit set height of the mammal-pollinated tree-climbing vine Mucuna macrocarpa
巻頁: J For Res 25 (5): 315-321
題名: 送粉者および植物食者の違いが哺乳類媒つる植物ウジルカンダMucuna macrocarpaの結実する高さに及ぼす影響
著者: 小林峻,傳田哲郎,Chi-Cheng Liao,Yu-Hsiu Lin,Jumlong Placksanoi,Surachit Waengsothorn,Chittima Aryuthaka,Somsak Panha,伊澤雅子
所属: 琉球大学理学部
抄録: 送粉者の訪花頻度や訪花行動が異なると結実率が異なることがあることは知られているが,送粉者の種の違いが結実する位置に影響するかどうかについては検証されていない.つる植物であるウジルカンダMucuna macrocarpa(マメ科)は,結実するための送粉者として哺乳類が必須である.本種はアジアに広く分布しており,送粉者は地域によって異なる.本研究では,送粉者の飛翔性および植物食者の違いが,ウジルカンダの結実する高さに及ぼす影響を調査した.調査は,九州,沖縄島,台湾,タイにおいて行った.この4地域の中で,飛翔性哺乳類(コウモリ)が送粉者となっているのは沖縄島だけであり,その他の地域では非飛翔性哺乳類のみが送粉者である.花序の高さを計測した結果,花序は全ての地域において地面付近から樹冠付近まで観察された.一方,結実は,九州,台湾,タイでは地面付近から樹冠付近まで観察されたが,沖縄島でのみ地面付近では観察されなかった.また,九州では地面付近でも結実していたが,その頻度は低かった.九州における自動撮影調査と胃内容物分析の結果,送粉者が地面付近の花序に訪花しているにもかかわらず,シカ(Cervus nippon)が頻繁に地面付近の花や果実を採食していることがわかった.本研究の結果は,送粉者の飛翔性と大型植物食者の密度が,植物の結実する高さに直接影響することを示している.
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13416979.2020.1762308
種類: 原著論文/Silviculture and Plant Sciences
Title: Phylogenetic origin of Magnolia pseudokobus (Magnoliaceae), a rare Magnolia extinct in the wild, revealed by chloroplast genome sequencing, genome-wide SNP genotyping and microsatellite analysis
巻頁: J For Res 25 (5): 322-328
題名: 野生絶滅した希少樹木コブシモドキの系統的起源:葉緑体ゲノムシークエンス,ゲノムワイドSNP解析,マイクロサテライト解析による検証
著者: 阪口翔太,長澤耕樹,梅津幸恵,長澤淳一,市河三英,木下覺,平塚健一,陶山佳久,綱本良啓,井鷺裕司,瀬戸口浩彰
所属: 京都大学大学院・地球環境学堂
抄録: 野生集団の記録が十分に得られないまま絶滅した希少生物では,その系統的起源がよく分からないことがある.そうした数少ない野生絶滅樹木の例として,日本ではコブシモドキ(モクレン科)が知られる.この3倍体性植物は四国で記載されたものの,記載時の1個体しか発見されていない.現在ではその原木からクローン増殖させた株が各地の植物園で維持されているのみで,野生下では絶滅している.本研究では,コブシモドキおよび近縁種を対象として,葉緑体ゲノム解析,ゲノムワイドSNP解析,マイクロサテライト解析を実施し,コブシモドキの系統的起源を調査した.葉緑体ゲノム配列とゲノムワイドSNPに基づいて系統樹を推定した結果,コブシモドキはコブシの種内変異に含まれることが判明した.またコブシと共に栽培されていたコブシモドキ母樹から得た実生をマイクロサテライト分析したところ,実生は2種の交雑個体であった.こうした遺伝データから,コブシモドキはコブシを祖先として最近派生した植物であり,時として交配が可能なほど近縁であることが伺えた.コブシモドキは3倍体で無配生殖を行わないことから,コブシモドキはコブシが同質3倍体化することで生じた変異体であると考えられる.さらに,祖先種のコブシが四国には野生しないことを合わせて考えると,人為的に鑑賞木として四国に持ち込まれたコブシからコブシモドキが生じた可能性すらある.以上により,独立種として記載されたコブシモドキは,コブシの1品種(M. kobus f. pseudokobus)として認識するのが適当である.
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13416979.2020.1767268
種類: 原著論文/Silviculture and Plant Sciences
Title: Regional and topographic growth variation among 45-year-old clonal plantations of Cryptomeria japonica: effects of genotype and phenotypic plasticity
巻頁: J For Res 25 (5): 329-338
題名: スギ挿し木品種の45年生林分における成長の地域および地形による変化:遺伝子型と表現型可塑性の影響
著者: 榎木勉,高木正博,鵜川信,鍋嶋絵里,石井弘明
所属: 九州大学演習林
抄録: 樹木の成長には遺伝子型と表現型の可塑性により決定される順化能力が影響する。人工林の生産性や収量を予測するには生育条件に対する短期的な順化に加えて,長期的な環境変化への順化能力も考慮に入れる必要がある。日本のスギ人工林では挿し木を用いた植林が一般的であり,多くの精英樹のクローンが開発されている。本研究では、5つの地域に設定され植栽後45年が経過した共通圃場において,スギ挿し木品種の成長に及ぼす遺伝子型と環境ならびに両者の相互作用(表現型可塑性)の影響を評価した。生育初期に「早生型」と分類された品種は,植栽後45年においても「晩生型」と分類された品種よりも樹木サイズが大きかった。また,いずれの品種も斜面の下部から上部に向かって樹高が減少した。樹高成長が大きい地域ほど,また斜面下部ほど品種間における成長の差が大きかったことから,生育条件の悪い立地では早生型の品種はその成長能力を十分に発揮できない可能性が示唆された。各品種の表現型可塑性として成長の地域間の違い(地域的変異)と地域内の斜面位置による違い(地形的変異)を評価したところ,各品種には地域および地形スケールでの可塑性が認められ,可塑性が大きい品種ほど成長が良かった。これらの結果から,表現型の可塑性が大きい品種は,順化能力が高く,様々な環境条件において良好な成長が可能であることが示唆された。
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13416979.2020.1767267
種類: 原著論文/Silviculture and Plant Sciences
Title: Monoterpene emissions and the geranyl diphosphate content of Acer and Fagaceae species
巻頁: J For Res 25 (5): 339-346
題名: カエデ属とブナ科の樹木種のモノテルペン放出速度とモノテルペン前駆体の含有量
著者: 望月智貴,池田誌花,澤上航一郎,谷晃
所属: 静岡県立大学食品栄養科学部環境生命科学科
抄録: 植物が放出するモノテルペンは大気中で二次有機エアロゾルや光化学オキシダントの生成に関与するため、大気化学に重要な役割を果たす。日本の広葉樹についてモノテルペン放出の有無に関する報告はほとんどない。本研究では、日本の主要広葉樹であるカエデ属(20種)とブナ科(14種)の樹木のモノテルペン放出の有無を測定した。さらに、モノテルペン放出の有無とその放出量をより簡易に推定できる方法を検討するため、カエデ属とブナ科の13種について、葉内のモノテルペン前駆体(ゲラニル二リン酸)の含有量を測定した。放出速度の測定より、カエデ属13種とブナ科7種からモノテルペンの放出を確認した。モノテルペン前駆体は測定した13種すべてに含まれた。さらに、モノテルペン放出速度とモノテルペン前駆体量の間に関連はなかった。モノテルペン前駆体量はモノテルペンの生産ならびに放出の有無、さらにモノテルペン放出速度と関係しないことが明らかになった。これらの結果より、カエデ属とブナ科のモノテルペン放出の有無は個々の種に依存し、それらのモノテルペン放出にはモノテルペン合成酵素の活性や発現が影響することが示唆された。
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13416979.2020.1779425
種類: 短報/Socioecnomics, Planning, and Management
Title: Traditional knowledge on shifting cultivation of local communities in Bago Mountains, Myanmar
巻頁: J For Res 25 (5): 347-353
題名: ミャンマーバゴ山地の地域コミュニティの焼畑に関する伝統知
著者: Akari Phyu Phyu Thet,徳地直子
所属: 京都大学農学研究科
抄録: 焼畑は、原生林や二次林を伐採し、火入れし、作物を1年間栽培し、その後休耕を行うという過程からなる伝統的な農法である。ミャンマーでは、森林に依存した部族、特にカレン族やチン族などが長年焼畑を行っており、その方法は先祖から受け継がれた伝統知(traditional knowledge)によっている。本研究では、ミャンマーのバゴ山地のS村で地域住民が行う焼畑のプロセスでみられる伝統知について考察を加える。地域住民の焼畑に関する伝統知についての調査では、フォーカスグループディスカッション、キーとなる情報源の方へのインタビュー、野外調査などを含む定量的調査方法を行った。その結果、伝統的な住民は焼畑地として、水源や急な斜面を避けて選択していることが明らかになった。さらに、収穫後は、再度栽培するには、森林植生が回復するまで15年以上焼畑地を休耕地としていることが明らかになった。伝統的な焼畑システムでは、住民は、焼畑地を、伝統知や栽培方法により、環境への影響やダメージを低くし、陸稲やその他の随伴栽培植物が高い収量を期待できる場所を選択していることが示された。しかしながら、伝統的な焼畑が森林の荒廃や低質化の原因になっているかどうかについては、さらなる調査が必要である。
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13416979.2020.1764166
種類: 短報/Socioecnomics, Planning, and Management
Title: Testing the utility of multivariate techniques in mapping commercial forest species using freely available Landsat 8 Operational Land Imager (OLI)
巻頁: J For Res 25 (5): 354-357
題名: 無償で利用可能なランドサット8号OLIを利用した商業樹種分布図化における多変量技術の有用性試験
著者: Mthembeni Mngadi,John Odindi,Kabir Peerbhay,Onisimo Mutanga,Mbulisi Sibanda
所属: University of KwaZulu-Natal, South Africa
抄録: Reliable species discrimination remains essential for the management of commercial forests. Therefore, this study sought to evaluate the utility of Partial Least Squares Linear Discriminant Analysis (PLS-LDA) and Partial Least Squares-Discriminant Analysis (PLS-DA) multivariate techniques for delineating forest species using Landsat 8 OLI. PLS-LDA produced a higher (88.9%) overall accuracy compared to the PLS-DA (79%). The high performance of PLS-LDA is associated with its ability to deal with correlation and variability between and within classes, hence offer great potential for the monitoring and management of commercial forest species.
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13416979.2020.1764167
種類: 短報/Silviculture and Plant Sciences
Title: Host size preferences of vascular epiphytes are reflected in their spatial distributions: a study of a mature broadleaf evergreen forest in Kochi, Japan
巻頁: J For Res 25 (5): 358-363
題名: 維管束着生植物のホスト樹木サイズ選好性は空間分布に反映されるー高知県の暖温帯天然林における事例ー
著者: 瀨戸美文,比嘉基紀,石川愼吾
所属: 高知大学大学院総合人間自然科学研究科
抄録: 維管束着生植物(以下、着生植物)の種多様性の分布パターンは、集中分布またはランダム分布である例が報告されている。本研究では、高知県の暖温帯天然林において、ホスト樹木サイズ選好性と空間分布との関係を検討した。一般化線形混合モデルを用いて、247本中8本以上の調査木で確認された着生植物8種のホスト樹木サイズ選好性を調べた。また、最も多くの着生植物が確認された谷底に0.59-ha のプロットを設置し、RipleyのL関数とエンベロープシュミレーションを用いて、多種の着生植物が着生すると推測される大径木と低いホスト樹木サイズ選好性を示したマメヅタの空間分布を調べた。調査の結果、シノブ、イワヤナギシダ、ムギラン、セッコク、オサラン、ヤシャビシャクは、高いホスト樹木サイズ選好性を示した。多種の着生植物が着生すると推測される大径木は、ランダム分布を示した。一方、マメヅタとヒメノキシノブは、低いホスト樹木サイズ選好性を示した。マメヅタ着生木は、集中分布を示した。以上の結果から、種によって異なるホスト樹木サイズ選好性が、空間分布に反映される可能性が示唆される。着生植物の空間分布は、対象とする着生植物のホスト樹木サイズ選好性によって、集中分布、ランダム分布のどちらにもなり得ると考えられる。
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13416979.2020.1779909
種類: 短報/Silviculture and Plant Sciences
Title: New polymorphic microsatellite markers for Sarcandra glabra (Chloranthaceae), an evergreen broad-leaved shrub endangered in South Korea
巻頁: J For Res 25 (5): 364-368
題名: 韓国で絶滅危惧の常緑広葉低木センリョウ(センリョウ科)の新規多型マイクロサテライトマーカー
著者: Eun-Kyeong Han,Won-Bum Cho,Goya Choi,Sungyu Yang,Hyeok-Jae Choi,Gwan-Pil Song,Jung-Hyun Lee
所属: Chonnam National University, Republic of Korea
抄録: Microsatellite markers were newly isolated for Sarcandra glabra (Chloranthaceae), an ecologically important species in the evergreen broad-leaved forests of East Asia. On the Korean Peninsula, S. glabra is endangered, being extremely restricted to a few habitats on Jeju Island, which is the northern edge of their distribution range with evolutionary potential. Recently, populations have been rapidly declining internationally, increasing the urgency for the conservation of Jeju populations. For long-term conservation, we designed 24 polymorphic microsatellite markers in three multiplex sets. S. glabra frequently breed through vegetative reproduction. Therefore, the ability to detect clones was also tested. From two natural populations, the number of alleles per locus ranged from 2 to 14 (average, 4.292). Values for expected heterozygosity ranged from 0.000 to 0.891 (mean, 0.263). As a result of the genotype accumulation curve, the complete recognition (100%) of all multilocus genotypes can be achieved using only 21 loci, indicating that markers showed a high ability to accurately identify individuals in natural populations. These markers will be beneficial for establishing suitable conservation strategies for S. glabra in East Asia as well as Jeju Island.
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13416979.2020.1783052